エアバンドはどうすれば聞けるの?

 「エアバンド(航空無線)」っていうものがあるんだ、聞いてみたいな~」と思った初心者さんが最初にぶつかる壁は、「どうすればエアバンドを聞けるんだろう」とか、「何が必要なんだろう?

ということでしょう。この記事ではそんな疑問にお答えしています。

 

 専門用語や、聞いたことのない機械などが出てくるかもしれませんが、慣れれば難しいことはありません。一つひとつ、ゆっくり覚えていきましょう!

1.航空管制の仕組みを覚えておこう

 エアバンド(航空無線)とは、管制官とパイロットの交信や、パイロットと航空会社の連絡など、航空機の安全運航のために行われている無線通信のことです。主に航空管制の無線通信を指す、と考えて良いと思います。

 

 航空機の運航には離陸・上昇・巡行・降下・着陸などといろいろなフェーズがあり、航空管制はこれらのフェーズに応じて様々なセクションに別かれて航空機の管制を行っています。

 エアバンドを聞くとき、これらのセクションの役割や、セクションの引継ぎ方法など、航空管制の仕組みを知っておくことが大変重要になります。

 

 これらの知識について、詳細は「航空管制の仕組みを知ろう」のページで解説しています。

 

2.航空管制の用語を覚えよう

 航空管制では基本的に「英語」が使用されています(※)。これは国際的に決まっていて、海外でも基本的に「英語」です。なので、航空機が海外に行っても共通の言語で管制官との交信が出来るわけです。

 (※緊急時やより正確な意思疎通が必要な場合は、日本国内では日本語が使用されることもあります。)

 

 エアバンドを始めて聞く初心者の方は、最初にここでつまづきます。聞きなれていない英語での会話で、かつ日頃から受信機の音に慣れていないため、何を話しているか聞き取ることが出来ないからでしょう。

 

 しかし英語といっても、航空管制の英語は流ちょうな英会話ではなく、航空管制用の単語の羅列・・・と言ってもよいでしょう。航空機の安全運航が第一の目的ですので、正確に伝わることが重要。英会話のような難しい文法などは必要ありません。

 

 また、航空管制での主なやり取りは、高度・方位・速度などの数値や単位、離陸・着陸などの指示を表す専用のフレーズなどです。これらをある程度覚えて聞き取れるようになればいいのです。とにかく慣れてしまうことです。

 

 航空管制で使用されている主な用語などは「航空管制の用語」のページで解説しています。

 

3.ワイドバンドレシーバーを購入しよう

 航空管制は電波を使用して行われています。なので、エアバンドは「航空無線」とも言います。

 

 無線を聞くためには当然「無線機」が必要です。と言っても堅苦しく考える必要ははありません。

航空無線を聞くための無線機のことを「広帯域受信機」と言います。「エアバンドレシーバー」という言い方のほうが一般的かもしれません。また「広帯域」なので「ワイドバンドレシーバー」とも言います。受信専用なので、使用するのに特別な免許や資格は必要なく、誰でも購入することが出来ます。

このサイトでは「ワイドバンドレシーバー」と統一して表現します。

 

 「ワイドバンドレシーバー」には大きく分けて、「携帯型」と「デスクトップ型」の2種類があります。ほとんどの場合、最初に購入するのは「携帯型」になります。「デスクトップ型」は非常に高価なので、ある程度エアバンドに慣れてきた人が、エアバンド以外にも多用途に使用するために購入します。

 「携帯型」のワイドバンドレシーバーが1台あれば、エアバンドの受信は十分楽しむことができます。このサイトでは「機器編」で、市販されているワイドバンドレシーバーを解説していますので、購入の際にはぜひ参考にしてください。

4.エアバンドで使われている周波数を知ろう

 日本国内の航空管制では、主に「VHF(超短波)帯」と呼ばれる周波数の電波を使用しています。AMやFMのラジオの放送を聞くときには、その放送局の周波数にラジオを合わせる必要がありますよね。

 これと同じように、航空管制でも管制の交信が行われている周波数に、ワイドバンドレシーバーの周波数を合わせる必要があります。従って、航空管制で使われている周波数が判らないと、いくらワイドバンドレシーバーを購入しても、航空管制の用語を覚えても、管制の交信を聞くことができません。

 

 そこで、このサイトでは「航空管制の周波数」を知ることができるページを用意しています。「航空路の管制周波数」と「空港の管制周波数」のページがあり、全国の航空路・空港で使用されている周波数を調べることができます。ぜひご活用ください。

5.航空管制関連の書籍紹介

 インターネットでいろいろ検索すれば情報を得られる時代ですが、「何かじっくり読んで勉強できる本が欲しい」という方向けには、下記の書籍「航空無線ハンドブック」が販売されています。

 2025年版では、羽田空港・成田空港の航空管制運用について、使用周波数・滑走路の使い分けなどが詳しく解説されています。また、国内の管制周波数を掲載した付録も付いています。

 国内の空港や航空路管制の周波数はこのサイト内にも掲載していますが、スマホが使えないときなどに書籍があると便利ですよね。

 

 全国の書店でも購入可能と思いますが、手軽なインターネット通販を利用される方は、左の画像の下にあるリンクボタンから、楽天またはAmazonでのご購入ができます。

 電子書籍もありますので、ぜひご活用ください。電子書籍ならスマホにインストールしておけば外出時の邪魔にもなりません。